「虹色の牢獄」
雨音の中へ手を伸ばし
半透明な手のひらに
26粒の誤った命たちを
集める
偽物のガラスキャップ
灰色の
生暖かさ
構わずにそれを捨て
逃げ出してしまったのだろう
半透明な抜け殻を着込んで
金縛りの種を植え付けられた
小さな
雨音たち
見つけられた時には
グレーに
毛は固まっていて
黒目には雲が映っていた
空ろな26粒達は
それぞれに舌打ちした
虹色の牢獄
そこには今も待ち構えているのだろう
痛めつけられた
半透明の指先たち
触れることの出来るものは
こびりついた
何かの動物の体毛だけ
気の滅入る暖かさのかけら
とっくの昔に消えてしまった
舌の上のざらついた蜜の味は
もう必要とされることはないのだろう